気力が出ない40代・50代。台湾旅行で見つけた“やる気スイッチ
はじめに:気力がなくなったと感じるあなたへ
「最近、なんだかやる気が出ない」
「昔はもっとフットワークが軽かったのに、今は何をするにも腰が重い…」
そんなふうに感じている40代・50代の方、多いのでは?

私もそのひとりです。
40代になり、やる気が出ない日が増えてきたように感じていました。
でも体調が悪いわけではないし、むしろ最近は週に2回の運動もしていて、筋力も昔よりついてるはず。
それでも「気力が湧かない」と感じるのはなぜなのか。
どうすればまた気力を取り戻せるのか——そのヒントを、実体験を交えながらお伝えしていきます。
第1章:最後の海外はイタリア。気づけば何年も旅をしていなかった
かつての私は、年に1回は旅に出るのが当たり前の暮らしをしていました。
国内でも海外でも、「旅」は心のガソリンのようなもので、会社員の頃は毎年必ず有給をとって、友人と旅行したり、ふらっと一人旅に出たりしていました。
忙しい日々のなかで、旅先ではじめての景色に出会うたびに、頭の中にパワーが溜まっていくような、そんな感覚が好きだったんです。
自営業になってからは、さらに旅の自由度が増しました。
スケジュールも自分で調整できるようになったことで、平日や休日も関係なく、ふと思い立って海外へ飛ぶこともあれば、仕事と兼ねて滞在することも。

その頃は、旅先で見たこと・感じたことをブログに書くのも楽しみのひとつでした。
「これがそのまま仕事になったらいいな」と思いながら、自然体で発信し続けていた時期です。
中でも最後に訪れたイタリア旅行は、今でも強く心に残っています。
街並みも文化も、すべてが刺激的で、旅のすべてが「最高!」と思えた。
「ああ、やっぱり私は旅が好きなんだ」と、心の奥底から再確認したような感覚でした。
けれどその直後、2020年の感染症流行。
世界が一変し、移動がしづらくなったあの頃。
私も「しばらくは仕方ないか」と思って旅から距離を置くようになりました。
でも、問題はその「しばらく」が、気づけば何年も続いてしまったこと。
状況が落ち着いたあとも、「行こうと思えば行けるけど…」と、どこかでブレーキをかけてしまう。
「準備が面倒そう」「飛行機の手配も久しぶりで不安」「体力的に疲れそう」
——そんな小さな不安や億劫さが、じわじわと私の中に広がっていきました。
思えば、この時すでに“気力”が弱まっていました。
以前なら「すぐにでも行きたい」と動けていたのに、今は「まぁ、別に今じゃなくてもいいか」となってしまう。
体は元気なはずなのに、どこか気持ちが前に出ない。そんな自分に、少しだけ違和感と寂しさを感じていました。
第2章:久しぶりの台湾旅。英語も通じず、焦る私
そんなふうに旅から遠ざかっていた私が、何年かぶりにパスポートを開いたのは、今年。
久しぶりの海外旅行の行き先は「台湾」でした。
「遠すぎず、文化も近いし、まずはここから」という気持ちで選んだ国です。

飛行機に乗るのも久しぶりで、空港の雰囲気や入国手続きさえ、どこか新鮮で——でもそれ以上に、ちょっとした緊張と不安を感じている自分がいました。
「前は、こんなに不安じゃなかったのに」

台湾に着いてからも、その感覚は続きました。
たとえば、お店で飲み物を買うとき。
英語で話しかけても、思ったより伝わらない。
なんとなく伝わっても、返ってくる言葉がわからなくて、笑ってごまかすしかない。
もちろん、台湾の方々はとても親切で、なんとかコミュニケーションは取れるんです。
でも、そんな中で私は気づいたんです。
「伝えるって、ただ言葉を使うことじゃないんだ」
「伝わらないとき、人は想像以上にエネルギーを使ってるんだな」
そして不思議なことに——
伝えようと必死になっている瞬間、私は“気力”を使っていたのと同時に、“気力”を取り戻していた気がしました。
「どうやったらこの気持ち、伝わるかな」
「この場をうまく乗り越えるには、何ができるだろう」
そんなふうに、脳がフル回転して、心が前を向いている感覚。
そしてうまく伝わったときの、あの小さな達成感。
「やった、通じた!」という喜びは、思っていた以上に自分の心の内側に染みこんできます。
この旅で私は、長い間忘れていた感覚を取り戻しました。
不便さも、ちょっとしたトラブルも、すべてが“気力を思い出すための良い刺激”になっていました。
第3章:伝えるって、声だけじゃない。気力を取り戻す“コミュニケーションの力”
旅先で感じたのは、「言葉が通じない」というもどかしさだけではありません。
それ以上に強く印象に残ったのは、「それでも伝えようとする」人の姿勢や工夫です。
空港に着いてまず感じたのは、「本当にいろんな国の人がいるなあ」ということ。
日本にいるとつい「言葉が通じるのが当たり前」という感覚になりますが、海外ではまったく違う。
英語が通じると思って話しかけたら通じなかったり、聞き取れても発音が違って意味が伝わらなかったり。
そんなことが、いたるところで起きます。
でも、面白いのはそこからです。
人は「伝えたい」と思えば、言語以外の方法でもちゃんと伝えることができるんですよね。

たとえば、
✔ イラストやピクトグラムで道順や手順が示されていたり
✔ ジェスチャーや表情で「こちらです」と案内してくれたり
✔ 視線や立ち位置、タイミングの取り方で「今は話しかけてOK」という空気を出していたり
言葉は違っても、人って案外“伝え合う力”を持っている。
そして、それに気づいたとき——
私の中に眠っていた「伝えたい」というエネルギーが、じんわり湧いてきたんです。
「あ、これって日常の仕事でも同じかもしれない」
ふだん私たちは、「伝える」=「言葉を正しく選ぶこと」と思いがちです。
でも実際には、表情、声のトーン、間の取り方、身振り、共感の姿勢——それらすべてが“伝える”に含まれているんですよね。
だから、「うまく話せない」とか「語彙力がない」と感じて気力が落ちている人にも伝えたい。
言葉だけじゃなくて、“あなたの中にある伝える力”はもっと多面的で自由だ、と。
旅先でそれに気づけたのは、本当に大きな収穫でした。
そして同時に、「伝える」ことは誰かのためだけじゃなくて、自分自身の“気力”を取り戻すための行動でもあるんだと、実感したのです。
第4章:年齢とともに気力が落ちるのはなぜ?【科学的な視点から】
「最近、やる気が出ない」「何をするにも億劫になった」——40代・50代の方からこんな発言を聞くことが増えました。多くの人はこれを「体力の低下」と結びつけがちですが、実際には体力と気力は異なる要素であり、必ずしも連動しているわけではありません。
(もちろん何らかの病気の可能性もあるので、明らかにおかしいと思ったら病院も行ってみてね)

筋力と気力の関係
筋力の低下は加齢とともに進行しますが、適切な運動習慣によりその進行を抑制または改善することが可能です。しかし、筋力の維持が直接的に気力の向上につながるわけではありません。つまり、体力があるからといって、必ずしも気力が充実しているとは限らないのです。
気力の低下と脳内の神経伝達物質
気力の低下には、脳内の神経伝達物質、特にドーパミンの分泌が関与していると考えられています。ドーパミンは、やる気や快楽、学習、注意などに関与する神経伝達物質であり、加齢に伴いその分泌量が減少することが知られています。
多くの研究から、10歳年をとるごとに平均10%程度のドーパミンニューロンが変性脱落していくことがわかっています。
引用:東邦大学医療センター 「ドーパミンとパーキンソン病」
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/kensa/column/column20150225.html
ドーパミンは脳内の報酬系に関与しており、十分に分泌されることで、やる気や意欲、集中力が高まります。
引用:みつだクリニック「ドーパミンの出し方とは?幸せホルモン不足を解消する食事や運動法を紹介」
https://mtdcl.com/column/4562/

つまりただ単純に体力を付けるだけでなく、ドーパミンを出す必要があるということ。
気力を取り戻すためのアプローチ
気力の低下を感じたとき、以下のようなアプローチが有効とされています:
- 新しい経験をする:新しい環境や活動に身を置くことで、ドーパミンの分泌が促進され、やる気や意欲が向上する可能性
- 適度な運動を取り入れる:運動は、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも寄与し、気力の回復に役立つ
- 人との交流を増やす:社会的なつながりは、精神的な安定や幸福感を高め、気力の維持に貢献
これらのアプローチを日常生活に取り入れることで、年齢に関係なく気力を維持・向上させることが可能です。
第5章:じゃあ、どうすれば気力は戻るのか?
今回の旅で気力は“戻すことができる”ものだと、身をもって感じました。
大げさな努力や劇的な変化が必要というわけではなく、ちょっとしたきっかけや外からの刺激があるだけで、ふっと立ち上がってくるような感覚。
ここでは、気力を取り戻すためのヒントを、私自身の実感と合わせてご紹介します。
① 非日常に身を置く:「旅」や「場の変化」はやっぱり効く

今回の台湾旅行がまさにそうでしたが、人は環境が変わると、自然と行動も思考も変わります。
慣れた空間にずっといると、無意識に“気力を使わない”状態が続いてしまう。
でも、知らない街の空気、初めて見る景色、人の声。そうした“感覚が刺激される体験”こそが、気力を引き出すトリガーになります。
大げさな海外旅行じゃなくてもいいんです。
ちょっと遠くの街に行ってみる、行ったことのないカフェに入ってみる、いつもと違う道を歩いてみる。
その「小さな冒険」こそが、内側のスイッチを押してくれます。
② 誰かに伝えてみる:完璧じゃなくても「話す」ことが力になる
旅先での体験からも強く実感したのが、「伝える」ことの大切さでした。
言葉が通じない中で、表情やジェスチャーで一生懸命伝えようとする。
うまくいかなくて焦るけれど、それでも誰かと“わかり合おう”とする行為そのものが、自分のエネルギーを引き出してくれます。

日常の会話でも同じ。
- 自分の感じていることを、SNSや日記で言語化してみる
- 「伝わるかな…」と不安になっても、まずは口に出してみる
- 伝わらないなら別の方法も試してみる
完璧じゃなくても大丈夫。
伝えようとする行動そのものが、気力を回復するきっかけになります。
③ “役割”を持つ:自分が誰かの役に立っていると感じること
もう一つ、気力を取り戻すうえで大切だと感じたのが「役割感」です。
人は、「自分が誰かの力になれている」と思える瞬間に、自然とエネルギーが湧いてくるもの。
私自身、今回の台湾旅行から帰ってきた翌日に、コミュニティ内で追加のイベントがありました。
実はその日、もう本当にクタクタで……笑。
「今日はちゃんと喋れるかな?」と自分でも不安になるくらい、疲れていたんです。
それでも、“セミナーを開催する自分”という役割があることで、自然と身体が動いて、スライドを開いて、話し始めていたんですよね。
しかも、終わったあとに参加者の方から
「すごく参考になりました!」
「聞けてよかったです!」
といった声をいただいたとき、疲れたけど、やって本当に良かった!
もちろんこれは、発信する側・講師としての役割じゃなくても構いません。
参加者として場を温めたり、感想を伝えたりするだけでも、“誰かと関わる”という意味で立派な役割ですよね。
- 家族や友人の相談に乗る
- 得意なことをシェアする
- コミュニティに関わってみる
- 小さな“ありがとう”を受け取る
役割が、“少しでも動く理由”を作りだします。
まとめ:気力は、取り戻せる

気力がなくなるのは、年齢のせいだけではありません。
気づかないうちに刺激を避けていたり、誰かと話す機会が減っていたり、自分の役割を小さく感じてしまったときに、そっと心の奥に隠れてしまうだけ。
でも、完全に失われたわけじゃない。
- ちょっとした旅
- 誰かとの会話
- 新しい経験や小さなチャレンジ
こうした「一歩前に出る行動」の中で、私たちはちゃんと気力を取り戻せます。
おわりに:気力が出ない40〜50代のあなたへ。ちょっとした刺激が、もう一度動き出すきっかけになる
「なんだか最近、気力が湧かないな」
「昔はもっとやる気があったのに…」
そう感じる40代・50代の方へ。
今回、数年ぶりの海外旅行をきっかけに私自身が再確認したのは、気力って“自然に湧いてくるもの”じゃなくて、何かに触れたときに“思い出されるもの”なんだということでした。

✔ やりたい気持ちはあるけど、なぜか動けない
✔ 何かを始めたいけど、気が重い
✔ 予定を立てても、「まぁいっか」で終わってしまう
そんなときこそ、思い切って“いつもと違う刺激”を入れてみてください。
もちろん、「無理して海外に行こう」と言いたいわけではありません。
新しいお店に入ってみる、違うルートで帰ってみる、はじめてのイベントに申し込んでみる。
そんな小さな非日常体験が、気力の芽をじわっと目覚めさせてくれます。
そしてその先に、
✔ 誰かに伝えたくなる気持ち
✔ ちょっと頑張ってみようかなという意欲
✔ やってよかったな、と思える余韻
が、きっと待っています。
「ちょっと動いてみようかな」
そう思えた今が、あなたの再スタートのときです。
📌 この記事がヒントになりそうな人へ
- 最近やる気が出ない40代・50代の方
- 気力がない=体力がないと誤解していた方
- 何か始めたいのに、一歩が踏み出せない人
- 発信・仕事・人付き合いの「伝える力」に自信をなくしていた方
よかったら、小さな行動をひとつだけ、試してみてくださいね。

この記事を読んだあなたが、また気力を取り戻せますように!