伝わる講師になるための“話し方の練習法”|自然体で話すための3ステップ
話す内容には自信があるのに、「なんだか印象に残らない」と感じたことはありませんか?
そんなあなた向けに、今日は講師の話し方の練習法をお届けします。
私は2019年から講師として活動し、オンライン・オフライン問わず多くの講座を行ってきました。東京都や大手企業の研修もしています。ですが、最初の頃はいつも不安でした。
「伝わったかな?」
「ちゃんと響いたのかな?」
特にオンラインでは相手の反応が見えず、仲間からの感想も「気を使って言ってくれてるのでは?」と疑ってしまったこともあります。
そんな私が、最近では講師としての「分かりやすさ」満足度で4.8(5点満点中)という評価をいただけるようになったのです。
「声が聞き取りやすい」
「テンポがちょうどいい」
「内容がスッと入ってくる」
こうした感想をいただけるようになったのは、話し方を“スキル”ではなく“届け方の習慣”として意識し始めたからでした。
この記事では、誰でもすぐに始められる「自然体で伝わる話し方」の練習法を3ステップにまとめてお届けします。
緊張しいの方、話し下手だと思っている方も、講師として“伝わる存在”になるヒントをぜひ受け取ってください。
第1章:なぜ「伝わる話し方」が必要なのか?
講師業は、ただ「知っていることを伝える仕事」ではありません。
相手の行動や理解につながるように届けることが求められます。
たとえば、同じ内容を話していても、「なんか聞いててしんどい…」と感じさせてしまう人と、「この人の話、最後まで聞きたくなる!」と感じさせる人がいます。その違いは、“話し方”にあります。
実は私も以前は「とにかく内容を詰め込まなきゃ」と思って、早口になったり、例え話を入れずに理屈ばかり話したりしていました。
聞いている側からすると、情報は入ってきても、印象には残りにくいし、共感も生まれない。
でも、あるとき気づいたんです。
「ただ言葉を発する」よりも「届く」が大事だなと。
講師の話し方が変わると、参加者の反応も変わります。
・メモを取るタイミングが増える
・うなずきや笑いが起こる
・終了後に感想や質問がどんどん届く
話し方ひとつで、講師としての「信頼感」「好印象」「次につながる行動」が変わるのです。
次の章では、実際に私がどうやって話し方を変えていったか、その過程をご紹介します。
第2章:ありがちな話し方NG例|“伝わらない講師”になっていませんか?
講師として伝えたいことは山ほどあるはず。
でも、知らず知らずのうちに「相手に届かない話し方」になってしまっている人も少なくありません。
ここでは、ありがちなNGパターンを3つ紹介します。
① 早口すぎて聞き手が置いていかれる
伝えたいことが多すぎて、どんどん言葉が詰まってしまう…
本人は「熱意」や「一生懸命さ」で伝えているつもりでも、聞き手からすると「焦る」「聞き取れない」「ついていけない」と感じてしまいます。
緩急をつけることが大切で、特に重要なポイントの前後には「間」を取ることで、聞き手に考える余白を与えることができます。
② 専門用語や理論ばかりでイメージできない
知識が豊富な人ほどやってしまいがちなのがこれ。
理論や専門的な言葉ばかりを並べて話すと、聞き手は「で、結局どうすればいいの?」と混乱してしまいます。
専門家に向けて話すならまだしも、一般の方に向けて話すときは専門用語ばかりでは伝わりません。
大切なのは、「例え話」や「身近な事例」を交えて伝えること。
人は“理解”よりも“納得”で動きます。
③ 声が単調で、聞いていて飽きる
どんなに内容が素晴らしくても、話し方がずっと同じトーン・同じスピードだと、聞き手は集中力を失います。
特にオンライン講座や動画教材では、話し方の“リズム感”や感情の乗せ方が印象を左右します。
こうしたNG例は、意識するだけで少しずつ改善できます。
では、実際に私自身がどう変化していったかを具体的に紹介していきます。
第3章:伝わる講師になるための3ステップ|自然体のまま話し方を磨くには?
「うまく話そう」「失敗しないように話そう」と思うほど、言葉は固くなりがち。
でも実は、「自然体で伝わる講師」になるために必要なのは技術より“姿勢”です。
ここでは、初心者でも実践できる3つのステップをご紹介します。
STEP 1:まずは「届けたい人」をイメージする
どんなに言葉を磨いても、“誰に”伝えるかが曖昧では届きません。
- 相手はどんな立場?
- どんな悩みを抱えている?
- どんな言葉に安心する?
こうした問いに答えていくと、「伝えたい言葉」よりも「届く言葉」が見えてきます。
話し方は、まず「相手視点」から。
STEP 2:声のリズムと感情を“少し”意識して話す
完璧に話す必要はありません。でも、聞き手は言葉の“抑揚”と“温度感”で印象を受け取ります。
- トーンを上下させる
- ゆっくり話すところ、早口で勢いを出すところを分ける
- 感情をそのまま声に乗せる(うれしさ・悔しさ・驚き など)
これはまるでピアノの演奏のようなもので、「感情の緩急」で伝わり方がまったく変わります。
STEP 3:「話す」ではなく「対話する」つもりで語る
講師業というと「一方的に話す」印象がありますが、伝わる講師は“聞き手と対話”しているように話します。
- 視線を配る(オンラインならカメラ目線を意識)
- 合いの手を入れるように「…ですよね?」と語りかける
- 1人の聞き手に話しかけている気持ちで話す
このスタンスがあるだけで、話の“圧”が下がり、「この人の話、ずっと聞いていたい」と感じてもらえるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 滑舌に自信がありません。それでも話せますか?
A. 問題ありません。滑舌は「ゆっくり・はっきり」を意識するだけでも改善しますし、台本を使って少しずつ慣れていけばOK。完璧を目指すより、伝わることを大事に。
Q2. オンライン講座だと、相手の反応が見えずに不安になります。
A. これは多くの講師が抱える悩みです。声のトーン・間の取り方・例え話などを工夫すると、相手の想像力に届く「伝わる話し方」ができます。録画で練習するのもおすすめ。
Q3. 話すのが苦手なまま講師をしてもいいのでしょうか?
A. 最初は苦手でも問題ありません。講師の価値は話術だけでなく「伝えたい想い」と「構成力」にもあります。話し方は練習でいくらでも伸ばせます。
Q4. 感情を乗せるのが恥ずかしい…
A. わかります。でも感情を込めるのは演技ではなく、メッセージを届けるための“技術”です。自然体で伝える感情は、相手の心に残ります。
まとめ
「伝える」ことは、講師の最も大切なスキルのひとつです。
でも、特別な才能や表現力がなくても大丈夫です。
ポイントは、「うまく話そうとする」より「どう伝わるか」を考えること。
話し方は、必ず伸びます。
実際に私自身も、最初は淡々と話してばかりでしたが、今では「話し方が心地よい」「聞きやすい」と言っていただけるようになりました。
あなたにも、伝えたい想いがあるはず。
あなたの想いが、自然体で届くようになる――その一歩を、今回の記事からはじめていきましょう。